伊野尾くんと有岡くんと猫。

何か楽しくなるとか、何か好きとかの感情。どうしてそう思ったのか考えるのって楽しい。

山田涼介の〝蝉〟が楽しみで仕方ない。【原作 グラスホッパー】

山田くんが出演する映画【グラスホッパー】の公開が近づいてきましたね。
私はこの映画の原作者である伊坂幸太郎さんの作品が好きなんです!
その中でも【グラスホッパー】はお気に入りの作品だったので、映画化されるのを知って、とても楽しみにしてました。
しかもこの作品の登場人物の中で一番好きなのが、山田くん演じる〝蝉〟なんです!
今回は〝山田くんの〝蝉〟と映画をより楽しみたい!〟ということで、原作本【グラスホッパー】の好きなところを少し書いてみようと思います。
私の主観になりますので、そういうの知りたくない!って方は、映画を鑑賞をした後に読んでいただければと思います! 
(ネタバレは…たぶんほとんどないですが、気になる方はお気をつけください。)

〝鈴木〟〝鯨〟〝蝉〟の3人それぞれの視点で物語が語られていきます。
大切な人を失った復讐心から非合法な手段でお金儲けをする会社に潜り込み、復讐の機会をうかがっていた〝鈴木〟。
相手に語りかけ、誰でも持っているであろう罪悪感なようなものを増大させ絶望に追いやり、対象者に自ら死を選ばせるという不思議な方法で人の命を奪う殺し屋〝鯨〟。
ナイフ使いの殺し屋〝蝉〟。岩西という男から仕事を斡旋されていて、他の殺し屋が嫌がる仕事でも独自の価値観で平気で引き受ける。岩西との〝上司〟と〝部下〟という関係に不満を持ちながらも、何だかんだと従っている。

殺し屋の〝押し屋〟が起こしたある事件をきっかけに、3人のそれぞれの思惑が交錯しながら物語は進んでいきます。

この小説を読んだ印象は〝かっこ良いハードボイルド小説〟です。
〝殺し屋〟という設定は普通に考えたら賞賛出来るものではないけど、この小説はあくまでフィクションなのでエンターテイメントとして楽しみたい作品です。
物語を〝善か悪か〟みたいに思ってしまう方はあまり面白いと思わないかもしれません…。
唯一普通の人である〝鈴木〟が、共感や温かみを感じさせてくれますが、〝殺し屋〟〝非合法〟など裏社会の怖さをより一層感じさせる存在となっています。
淡々とと物語は進んでいくのですが、登場人物たちのセリフがかっこ良くて、独特の考え方が面白いです。それぞれのキャラクターが魅力的に感じました。
その中でも私がいっちばん好きなキャラクターが〝蝉〟です。彼はとにかくしゃべります。うるさいから〝蝉〟です。
彼のセリフや考え方はとにかく面白いです。
喋り方がとにかくチャラいけど、そのチャラさが逆に親近感を感じるかも。
〝善か悪か〟を考えなければ何だか納得さえしてしまうような言葉を放ちます。


対象者「あなた、女にも手を出すわけ?」
蝉「俺はプロだぜ」「医者が手術する時に、『男は直しません』なんて、言わねぇだろうが。風俗嬢はどんなに不恰好な客が来たって、サービスをするんだぜ。差別じゃねえか」


情報が集まるポルノ雑誌店が好きな蝉。
蝉「うるせぇな、俺は単に、あの店が好きなんだ」
岩西「ポルノ雑誌がか?」
蝉「裸の女が表紙の雑誌が、ずらっと並んでいるんだぜ。壮観じゃねぇか。何か俺は、ああいうのが好きなんだよ」
岩西「エロガキ」
蝉「そうじゃねぇよ。気取った格好した女よりは、ああやってポーズ決めて、服を脱いだ女のほうが偉いように思えるんだよ。隠し事がなくて、安心する。潔くて、むしろ清楚に感じるほどだ」


岩西「依頼者は、その相手と部屋で二人きりになるのは、なるべく避けたいんだとよ。部屋に入ったらすぐに、終わりにしてほしいそうだ」
蝉「二人きりになるのが怖い、ってのは、可愛い女しか言っちゃいけない台詞だろうが」
岩西「今時、可愛い女の子、なんていねぇよ。見たことあるか?」
蝉「見たことはねぇけど、どっかにいるんだろ」


遅刻してしまい、依頼者が死んでいるのを発見した蝉は…
〝俺が遅刻したから、○○の奴は落ち込んで、だから首を吊ったのかな、とも考えた。それならちょっと悪いことしたな〟
(蝉が殺そうとしていた対象者に殺されたって、普通は思うシチュエーションです…)


何かちょっと面白くないですか?
独特の価値観を持ってるというか…!
彼は仕事として〝殺し〟をやってるので、プロ意識が高くて、変に真面目なとこがあったりするのが面白いなーって思って読んでました。
もちろん〝殺し屋〟なので、一家惨殺を得意と言ってしまうような残酷な面がありますが、お茶を出してもらったらちゃんとお礼を言ったり、仕事の時間をきっちり守ろうとしたりする、ちょっと可愛ささえ感じる何だか憎めないキャラクターです。
物語自体は決して明るくないし淡々としてますが、この岩西と蝉の会話部分だけは何だか軽快だしかっこ良いんです。
〝ハードボイルド〟って感じたのは、この2人の関係とか台詞とか空気感が大きいかなと思います。
蝉の台詞もそうですが、この小説に出てくる台詞は考えさせられるようなことも多いです。
タイトルの〝グラスホッパー〟の意味も、わかると考えちゃったりするかな…。
結末は…ぜひ読んでみてください笑!

蝉役を山田くんがやるって知った時はビックリしたけど、嬉しかったんですよね!そうだ、山田くんがいたわ!って。
小説読んだ時って必ず、〝映像化されたら誰が良いかなー〟って考えて楽しむタイプなんですが、蝉役は何か思いつかなくて。
残酷な殺し屋の部分と純粋で独特な価値観、さらにハードボイルドなかっこ良さを表現出来る人…実際に存在するようなチャラい若者なんだけど、存在感があって独特のオーラを放てる人……あー…いないわ…って思ってた笑。
山田くんの完璧なビジュアル・雰囲気・演技力があれば、間違いないなって思ってます。
JUMPのエース山田くんなら、ただの殺し屋じゃない、かっこ良い〝蝉〟を演じてくれるって期待してます!


とはいえ、映画になると雰囲気も変わるかもしれないし、監督によって物語の切り取り方も違うと思うので、どんな作品になってるか本当に楽しみです!
とりあえず、蝉に思い入れが強過ぎる私のイメージは置いといて…映画は映画として楽しみたいと思ってます笑!

公開は11月7日(土)です、楽しみだー!!
また映画観たら、感想書きますねー。
大人女子の皆さまと、早く共感したいです!

今回も読んでいただき、ありがとうございました。