伊野尾くんと有岡くんと猫。

何か楽しくなるとか、何か好きとかの感情。どうしてそう思ったのか考えるのって楽しい。

邦画好きはただちに《ブラック校則》を観にいくことをおすすめします。

“邦画大好き!”な大人女子の皆さまー。

先日、映画《ブラック校則》を観てきました。

《セトウツミ》が大好きなのですが、その原作者 此元和津也さんが脚本を手掛けている作品なので楽しみにしていました。

 

邦画好きはただちにブラック校則を観に行ってください!

恐らく“ジャニーズが出てるから”とか“アイドル映画”だからとかいう理由で、観に行く選択肢にも入らない人はたくさんいると思います。

でもそんな理由でこの作品を観ないなんてもったいないです。

《ブラック校則》は“ジャニーズ好き”ではなく“邦画好き”として、おすすめしたい作品です。

 

《ブラック校則》は日テレのドラマと連動していて、huluではオリジナルストーリーが配信されています。

ドラマを観てないと映画が楽しめないというわけではないですが、観たほうがこの作品の世界観に浸ることが出来るしそれぞれのキャストに愛着が湧くので、確実に楽しめると思います。

 

これからはネタバレを含みますので、お気をつけくださいね。

 

 

公式からストーリーを抜粋すると…

1人では何も出来なかった2人が、恋するあの子のため、そして500人の生徒の青春を取り戻すために、ブラック校則と大人たちに立ち向かう!恋と友情の行方は?果たしてブラック校則は?

今売り出し中のジャニーズが主演でこの内容を読んだら だいたいあんな感じなんだろうなーって想像するストーリーあるじゃないですか。

でもたぶんそれとは全然違うストーリーです。

ジャニーズが主役ではあるものの、キラキラや胸キュンの類いではないしかっこいいスーパーヒーローは出てきません。

 

この作品の魅力は、リアリティとドラマチックの絶妙な掛け合わせです。

出てくる人たちはみんな普通の人たちで、周りに合わせながらもそれぞれの価値観で生きています。

優しい時もあればそうじゃない時もある。

自分と合う人もいれば合わない人もいる。

人は色々な側面を持っていて、誰かにとって良い人であっても必ずしもそれは他の誰かにとって良い人なわけじゃない。

そんな当たり前のことに気づかされます。

 

好きな女の子の為に校則を変えようと奮闘する主役の小野田創楽(佐藤勝利)。

地味で冴えないし、真面目な性格が故に友達の月岡中弥に言われたことを何でも真に受けてしまいます。

でもその不器用で裏表がなく嫌みのない真っすぐな性格の創楽だからこそ、何度失敗しても応援したくなる魅力があります。

不器用で特に秀でた部分がないことがコンプレックスというのは実は多くの人が少なからず共感出来る部分だと思います。

創楽の友達の月岡中弥(髙橋海人)はこの物語の軸になる存在です。

創楽の思いを応援しつつちょっと楽しんでいるような様子もありますが、クレバーでとても心優しく、創楽だけでなく他の友人たちに対しても常にフラットで相手の個性をそのまま受け入れるこのが出来る人です。

 

海人くんの演技凄いと思いました。

中弥は演じ方によっては誰にでも良い顔をするただの八方美人に見えるかもしれません。

でも全然そんなことなくて誰に対してもフラットでフレンドリーで、でもただのお調子者でもないっていう難しい役を見事に演じていました。

創楽とみんなを繋いだのは間違いなく彼の存在だったと思います。

 

中弥は好きな台詞やシーンがたくさんありましたが、一番好きなのは東くんとのシーンです。

「笑わないの?」

「面白かったら笑うよ」

この台詞に中弥の人柄が出ていて、心が温かくなります。

中弥は嫌な思いをさせられた不良グループのミチロウも助けようとするし、その仲間のななちゃんとも気兼ねなく仲良く出来るような人なのです。

 

 

創楽と中弥だけでなく、出てくる人たちがそれぞれみんな魅力的でした。

ヒロインの町田希央(モトーラ世理奈)は存在がおしゃれで、この方だからこの映画がアイドル映画っぽくならずに済んだ一因でもあったのかなと思います。

モトーラ世理奈さん何だか不思議な存在感で素敵です。

 

あと私が好きだったのは中弥のお兄ちゃんの文弥です。寂しがりやで良いキャラしてます。

というか、中弥の家族のシーンは明るくて楽しくて前向きな気持ちになります。お父さんが亡くなったことを全然暗く語らないけど、大切にしてる感じが何か良いです。

 

出てくる人みんな凄く良いやつとかじゃないんですけど、それぞれに良いとことダメなとこがあってみんな何だか好きになってしまう、そんな人がたくさん出てきます。

目的はみんな違うし仲良くなったわけじゃないけど、最後は気づいたら創楽と中弥に協力してくれます。

でもたぶん彼らは映画のストーリー後は、少しだけ分かり合いながらも前とそれほど変わらずに過ごしていくんだろうなと思えたのも、何かリアリティがあって面白いと思いました。

 

 

でも私がこの映画を観て良かったと心から思ったのは、全ての理由が“恋”だったから。

創楽が何故校則を変えようとしたのか、何故必死になって希央の退学を阻止しようとしたのか。

それは彼が「彼女のことを好きだから」「彼女と一緒に卒業まで過ごしたかったから」

中弥は何故必死にバイトして18万円稼ぎたかったのか。

それは彼が「田母神先生のことがずっと好きだったから」「元カレからもらったかんざしじゃなくて自分でかんざしを買ってあげたかったから」

 

高校生の青春はこうでなくちゃいけない!こうであってほしかった!って、

最後の最後にこのシーンを観て とても嬉しい気持ちになりました。

たいそうな理由なんてあるわけないんです。みんなの為!とか未来の為!とか言い出したら絶対ガッカリしてたと思います。

好きな子の為にって最初からわかってたけど、最後までぶれないで言い切ってくれたことで爽快感さえ感じてしまいました。

キラキラじゃないって最初に書いたけどやっぱりそれは違いました。

高校生と恋が揃ったらキラキラしますね。最後はキラキラでした!!

 

この作品は、大人にこそ観てほしいかもしれません。大人だから感じることがあるかもしれません。

リアリティとドラマチックの両方をぜひ楽しんでほしいです。

特に邦画好きの方には刺さると思うので、ぜひ観に行ってみてくださいね。

 

今回も読んでいただき、ありがとうございました。